XL-Bradford

一般的なBradford法によるタンパク質定量試薬は、界面活性剤の影響を大きく受けてしまいます。
本試薬はそのような条件下でもタンパク質濃度を正確に測定することが可能です。

SDS-PAGE適応

  • SDS-PAGEサンプルバッファーに溶解したタンパク質の定量が可能(SDS適用濃度 ≦2%)
  • 還元剤やBPB色素を含有したサンプルバッファーもそのまま適応可能
  • 0.1~1.0mg/mL(通常法)、2~50ug/mL(微量法)のタンパク質溶液を定量可能
  • 簡便な操作

商品説明

BPB色素や還元剤を含んだサンプルバッファー内のタンパク質の定量が可能です。
SDS以外の界面活性剤が含まれる場合はXL-Bradford [界面活性剤適応]をご使用ください。

操作概要

本試薬とタンパク質溶液を混合して595nmの吸光度を測定するだけで迅速・簡便な定量が可能です。
混合してから加温する必要なく、また、混合後1時間程度は吸光度が変化しませんので、多検体を処理する場合にも最適です。

テクニカルノート

XL-Bradford[SDS-PAGE適応] および通常Bradford試薬の比較

SDS-PAGEサンプルバッファー(※)を用いて0、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)溶液を調製し、通常のBradford法と本試薬を用いて検量線を作成しました。SDS-PAGEサンプルバッファーを含んだサンプルは、通常のBradford法では測定できませんが、XL-Bradford [SDS-PAGE適応]では測定可能です。
※2% SDS、62.5mM Tris-HCl、10% Glycerol、0.003% BPB

タンパク質の種類による発色率の違い

本試薬はBradford法に基づいた試薬です。本試薬中の色素はタンパク質中の塩基性アミノ酸または芳香族系アミノ酸と結合し発色するため、タンパク質の種類によって発色率が異なります。下図は、一般的に標準物質として用いられるBSA (Bovine Serum Albumin) とBGG (Bovine Gamma Globulin) の検量線です。

参考資料

スタンダードタンパク質の調製
タンパク質濃度の求め方
タンパク質定量フォーマット

 <使用方法>

  1. 調製したスタンダードタンパク質の濃度を入力します。
  2. n=2で測定したスタンダードタンパク質の吸光度を入力します。
  3. 濃度未知サンプルの吸光度を入力します。
  4. 濃度未知サンプルの濃度が算出されます。

 <注意>

濃度未知サンプルを希釈して吸光度測定を行った場合は、算出された濃度に希釈倍率をかけた値が濃度未知サンプルの原液濃度となります。
このフォーマットの計算式は一次曲線のみに対応しています。二次曲線、三次曲線には対応しておりませんのでご注意ください。


界面活性剤適応

商品説明

タンパク質抽出や精製の工程で添加した界面活性剤に溶解したタンパク質の定量が可能です。

操作概要

本試薬とタンパク質溶液を混合して595nmの吸光度を測定するだけで迅速・簡便な定量が可能です。
混合してから加温する必要なく、また、混合後1時間程度は吸光度が変化しませんので、多検体を処理する場合にも最適です。

<通常法>

 測定可能範囲 : 0.1~1.0 mg/mL
 超純水で5倍希釈・ろ過したXL-Bradford試薬 500μL
 サンプル or スタンダード 10μL
 ↓
 室温 5分
 ↓
 595nm 吸光度測定

※ サンプルとスタンダードは同じ溶液で調製してください。
※ 各界面活性剤によって最大許容量が違います。詳しくは使用説明書をご確認ください。
※ 測定可能範囲は光路長1cm の場合です。

<微量法>

 測定可能範囲 : 2~50μg/mL
 XL-Bradford試薬(希釈なし) 100μL
 サンプル or スタンダード 400μL
 ↓
 室温 5分
 ↓
 595nm 吸光度測定

※ サンプルとスタンダードは同じ溶液で調製してください。
※ 各界面活性剤によって最大許容量が違います。詳しくは使用説明書をご確認ください。
※ 測定可能範囲は光路長1cm の場合です。

テクニカルノート

様々な界面活性剤を含むタンパク質サンプルの検量線

様々な界面活性剤を1%含む溶液で調製した標準タンパク質(BSA)を、XL-Bradford [界面活性剤適応]を用いて測定したところ、界面活性剤の影響を受けず、良好な検量線を作成することができました。

仕様と価格

商品コード商品名内容販売価格(税別)
KY-1030XL-Bradford [SDS-PAGE適応]100mL
[説明書] [SDS]
17,250円
KY-1031XL-Bradford [SDS-PAGE適応]500mL
[説明書] [SDS]
62,000円
KY-1040XL-Bradford [界面活性剤適応]100mL
[説明書] [SDS]
17,250円
KY-1041XL-Bradford [界面活性剤適応]500mL
[説明書] [SDS]
62,000円

関連情報

総タンパク質定量試薬[bradford]
Bradford法に基づいた、溶液中の総タンパク質濃度を正確に定量できる試薬です。
総タンパク質定量キット[BCA / micro-BCA / 還元剤適応BCA]
BCA法はタンパク質が銅イオンを還元する性質を利用したタンパク質定量法で、界面活性剤の影響が低い事と広い定量範囲が特長で……
スタンダード[BSA]
総タンパク質定量に必須のタンパク質スタンダード[BSA]です。